2.正覚山 多福寺(臨済宗妙心寺派)
正覚山 多福寺(臨済宗妙心寺派)
しょうがくざん たふくじ
窓の向こうは臼杵城
趣深き奥方寺からの眺め
五つの道が星形に交差する臼杵市の中心部。その中でも一番細い路地の奥にあるのが『多福寺』だ。創建は慶長六(1601)年。二代藩主・稲葉典通公が、駿府臨済寺 鐵山宗鈍禅師の弟子了室禅師を開祖に請じて開いた禅寺だ。当初は二王座にあったが、寛永八(1631)年に今の場所へ移った。ここは三代藩主・一通公の正室・多羅姫の旧宅があった場所。多羅姫の菩提寺は隣の月桂寺だが、旧宅を再建したため"奥方寺"とも言われる。高台からの眺望は抜群で、時空を超えて多羅姫と同じ目線で臼杵城を眺められるのも趣深い。本堂と、その向かいにある鐘楼は文化十(1813)年頃に建てられたもの。とくに縦羽目板の袴腰の鐘楼は、臼杵の名工・高橋団内の作として知られている。本堂に殿様専用の御成玄関が残るのも、歴史を重ねてきた寺の特徴だ。境内の施設が素晴らしいのはもちろんだが、そこに着くまでの路地と石段の佇まいにも心惹かれる。この寺を巡る楽しさは、着く前からすでに始まっているのだ。
※鐵山宗鈍=てつざん・そうとん
弟子了室禅師=でしりょうしつぜんじ
- 住所
- 大分県臼杵市二王座191
- 電話
- 0972-62-2912
- 駐車場
- 有
- スタンプの場所
- 観音堂納札箱の上
- トイレ
- 有