2.正覚山 多福寺(臨済宗妙心寺派)

正覚山 多福寺(臨済宗妙心寺派)
しょうがくざん たふくじ

山門へと続く石段。11月に行われるうすき竹宵では、無数の竹灯篭で埋め尽くされる。

窓の向こうは臼杵城
趣深き奥方寺からの眺め

五つの道が星形に交差する臼杵市の中心部。その中でも一番細い路地の奥にあるのが『多福寺』だ。創建は慶長六(1601)年。二代藩主・稲葉典通公が、駿府臨済寺 鐵山宗鈍禅師の弟子了室禅師を開祖に請じて開いた禅寺だ。当初は二王座にあったが、寛永八(1631)年に今の場所へ移った。ここは三代藩主・一通公の正室・多羅姫の旧宅があった場所。多羅姫の菩提寺は隣の月桂寺だが、旧宅を再建したため"奥方寺"とも言われる。高台からの眺望は抜群で、時空を超えて多羅姫と同じ目線で臼杵城を眺められるのも趣深い。本堂と、その向かいにある鐘楼は文化十(1813)年頃に建てられたもの。とくに縦羽目板の袴腰の鐘楼は、臼杵の名工・高橋団内の作として知られている。本堂に殿様専用の御成玄関が残るのも、歴史を重ねてきた寺の特徴だ。境内の施設が素晴らしいのはもちろんだが、そこに着くまでの路地と石段の佇まいにも心惹かれる。この寺を巡る楽しさは、着く前からすでに始まっているのだ。
※鐵山宗鈍=てつざん・そうとん
弟子了室禅師=でしりょうしつぜんじ

御本尊・釈迦如来を安置する本堂。

19世住職の関泰典さん。ホームページやblogを活用して寺の情報を発信する。
※せき やすのり

独特の反りが美しい高橋団内作の鐘楼(左)と、重厚な本堂。絵になる並びだ。

観音堂には、3代目・賢巌禅悦禅師が彫った観音様が祀られている。見ることができるのは、扉が開く8月10日だけ。
※賢巌禅悦禅師=けんがんぜんえつぜんじ

多羅姫の住まいを建てるために山を造成。臼杵城がよく見える場所に、城より少し低い位置に建てられた。

御朱印

住所
大分県臼杵市二王座191
電話
0972-62-2912
駐車場
スタンプの場所
観音堂納札箱の上
トイレ

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