5.紫雲山 満月寺(日蓮宗)

紫雲山 満月寺(日蓮宗)
しうんざん まんがつじ

夏の朝。本堂の庭先に、丹精込めて育てた蓮の花が咲く

磨崖仏、古石塔、堂舎跡
中世の栄華に想いを馳せて


静かな田園風景が広がる石仏公園。その公園を挟んで国宝 臼杵石仏の向かいにある寺が『満月寺』だ。12世紀の臼杵磨崖仏造立と併せて創建されたこの寺は当時、五院六房からなる天台宗の大きな寺院だった。だが17世紀初めに廃寺。寺にあった薬師如来像は地区の人たちの手で長年、護られてきたという。現在の寺は昭和二十六(1951)年に日蓮宗の藤井日達聖人によって復興されたもの。栄枯盛衰を経て宗派も変わったが、『満月寺』という寺名と臼杵磨崖仏とともにある地区の信仰の場としての役割は、連綿と続いている。境内には仁王像など多くの石造物が今も残る。寺の歴史やそれら石造物に触れることで、臼杵荘といわれたこの地区で花開いた中世の仏教文化に思いを馳せるのも楽しい。国宝 臼杵石仏とともにこの寺を訪れる人も多く、とくに蓮の花の咲く7月は幻想的な美しさに包まれる。町なかにある寺とは違う意味で、臼杵らしさにあふれた場所だ。

真名野長者夫婦の意向で、中国から来た蓮城法師が創建。廃寺から復興までの間は、小さなお堂として存続していた。
※蓮城=れんじょう

満月寺の仁王像といわれる木原石仏。国の特別史跡に指定されており、鎌倉後期から室町前期の作と思われる。

特別史跡の観音石仏。右が真名野長者夫婦・左が蓮城法師の像といわれているが、3体とも満月寺の僧侶像という説もある。

気さくな人柄で訪れた人を優しく迎える、7世住職・西水行満さん。
※西水行満=にしみず ぎょうまん

御朱印

国内でもっとも高い444センチの宝篋印塔(日吉塔)。
塔身が中空となっているのが特徴で、ここに経典を納めて寺を鎮護していたと思われる。国指定重要文化財。
※宝篋印塔=ほうきょういんとう
 日吉塔=ひよしとう

住所
大分県臼杵市深田963
電話
0972-65-3454
駐車場
スタンプの場所
本堂おみくじの隣
トイレ

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