有機栽培のバトン
手渡す者と受け継ぐ者
三重野 勇太
ミエノ ユウタ
『地域おこし協力隊』。
父親の仕事の関係で少年時代の大半をドイツで過ごす。常在菌の活用方法についての研究開発や輸入青果物の品質管理の仕事などを経て、夫婦で臼杵市に移住した。現在は協力隊員として『藤嶋農園』で有機農業を学ぶ。
- 修
- 視
臼杵市役所農林振興課 有機農業推進室
- 電話:0974-32-2220
三重野勇太さんは、藤嶋さんのもとで農業を学ぶ若手農家。有機農業の推進を使命とする地域おこし協力隊として、2021年1月に臼杵市にやってきた。ここは自分が興味を持っていた有機農業の先進地であり、奥さんの祖母が暮らす土地でもある。「いろんな意味で縁を感じる土地でした。有機農業に関しては、こんなに将来性のある場所は他にないでしょう。臼杵市で有機栽培の農家として自立出来なければ、どこに行っても無理。それくらい恵まれた環境だと思います」と話す。
これまでも農業経験はあったが、九州のように暖かい土地は初めて。「だからここで研修させてもらいながら、藤嶋さんがどういう考えでいつ頃どんな作業をするのか、チラチラと盗み見て勉強しています」。彼が目指すのは、農薬を使う一般的な野菜と有機栽培の野菜が同じ土俵で販売されること。「あとは買う人が選んでくれたらいい。同じ値段だったら、どっちを買いますかって。有機栽培だから高いんじゃなく、同じ土俵に立てるくらいに値段を抑えられるノウハウを確立していかないと」と、夢は大きい。それは10年先か、15年先になるのか。「自分1人ではとても無理です。今は、そんな夢を共有できる仲間作り、いわば種まきの時期ですよ」。種まきを終えて収穫の時期を迎えた時の彼の姿が、今から楽しみだ。