臼杵まなび旅

見えない生物に思いを馳せる
不思議な仕事

クドウサトシさんの紹介画像

工藤 智史

クドウ サトシ

『富士甚醤油株式会社(二豊醤油協業組合)』技術部・研究課 係長
大分市出身。山口大学・大学院で化学を専門に学ぶ。2006年に入社。技術部で、醤油に関連する技術的な研究と微生物を管理する仕事を担当する。

富士甚醤油株式会社(二豊醤油協業組合)

  • 住所:875-0004 臼杵市大字大野160番外
  • 電話:0972-63-3111(富士甚醤油本社)
  • URL:https://www.fujijin.co.jp/

名刺の肩書きは技術部・研究課。工藤智史さんは『富士甚醤油株式会社(二豊醤油協業組合)』で発酵管理を担当する研究者だ。醤油は地域性が強く、消費者が他の銘柄に変えることが少ない商品。それだけに新しい味や香りの開発にも、人知れぬ苦労があるようだ。

発酵や醸造は、長距離走のような仕事。今日の研究の結果が半年後に出るというスパンで働くため「私も気長な性格になりました」と苦笑する顔も、どこかゆったりしている。工藤さんの部署には彼しかいない。最初に前任者から引き継ぎはあったものの、その後はひとりで研究を進めてきた。人間が菌の都合に合わせるため、絶対に仕事を休めない日がピンポイントでやってくる。その時には、代わりの人がいない辛さと、状況把握がひとりで瞬時にできる幸いも感じると工藤さん。辛さと幸い。似たような言葉が背中合わせでやってくるのが、ひとりの研究現場なのだ。

菌のことが気になると、休みの日でも車を飛ばして様子を見にくるという工藤さん。休日の工場から眺める外の風景は、自分しか知らないのどかさだと笑う。「地味だし忍耐のいる仕事だけど、なんだかんだ言って楽しいんです。楽しくないと続かない仕事ですからね」。そう、なんだかんだ言っても、これが工藤さんの天職なのだ。

TOP