臼杵まなび旅

お茶とソフトクリームと
黄色い私

トクマルカエさんの紹介画像

徳丸 香枝

トクマル カエ

『松田玉香園茶舗』店主。
結婚して大分市内に住んでいたが、店を継ぐために家族で臼杵市に移転。いつも黄色い服ばかり着ているので”黄色い人”とも呼ばれている。趣味は歌うこと。『臼杵市中央通り商店街振興組合』の理事で、広報を担当している。

松田玉香園茶舗

  • 住所:臼杵市畳屋町8組
  • 電話:0972-62-3817

八町大路を自転車で駆け抜ける黄色い人影。この町で”黄色い人”といえば『松田玉香園茶舗』の徳丸香枝さんだ。創業約60年。本当においしいと思う茶だけを各地から仕入れるこだわりの茶舗として、町の人から親しまれている。

徳丸さんが店を受け継いで20年以上になる。「父とはよくケンカしましたよ。商品の並べ方から品揃えなど、すべての考え方が違っていて、まあ大変でした」と、苦笑いで当時を振り返る。そんな徳丸さんが家業を継いで一番感じたのが、お茶を取り巻く環境の変化だった。家庭での消費量が少なくなり、店に来るのは中高年ばかり。このままでは商売は先細るばかりだ。「それなら店でソフトクリームを売って、今のうちから小さい子と顔見知りになっちゃえ」と、10年前からソフトクリームの販売を始めた。ほかにも月に一度、店の一画を巻き爪専門の出張サロンに提供している。形にとらわれず、まずは店に人が集まってくれること。徳丸さんは、その重要性をしっかりと認識しているのだ。

毎日、大好きな黄色いファッションに身を包む徳丸さんだが、自転車は普通の色。「黄色じゃないんですか」と尋ねると「これは父の形見なので」とニッコリ笑ってペダルを漕ぎ始める。短い言葉の中に、亡き父への愛情がたっぷり詰まっていた。

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